短編小説– tag –
-
僕の世界(とびら)を開く鍵
女顔というものは、性格によって「かわいがられる」か、「からかわれる」かに分かれると思う。誰にでも笑顔を向け、人懐っこい性格ならば前者。僕はと言えば、明らかに後者の方だった。幼い頃は、かわいいというだけでちやほやされる。だけど小学生ともな... -
劣等感ていうのは、自分だけが感じるものなんだよ
私は、自分の中に流れる女の血が嫌いだった。 男に溺れた母親のようにはなるまいと、必死で自分の中の女を排除してきた。感情の赴くままに動かず、女だからと甘えず、男にバカにされないよう対等に渡り歩こうと生きてきた。 だから必死で勉強をした。... -
死にたいんじゃない。死んでもいいから守りたいんだ。
全身が痛い。もう、指一本動かすことも出来ない。意識が吹っ飛びそうになる中、先生の声が聞こえた──「逃げて」って。逃げないよ。暴力を受けることしか生きる価値がないと思っていた僕の考えを正してくれた先生。そんな先生を置いて逃げたら、きっとこの... -
回収作業
「全機能停止を確認。回収に入ります」黒く濁る瞳を見つめながら、僕は上官にそう報告した。上官は僕が任務完遂することが当然であるかのように、さほど興味もなさそうな声色で了解の意を告げ、通信を切る。頭部を潰され、ピクリとも動かず横たわるそれ・... -
いじめられるのは「弱いから」じゃないよ
初めは、聞き間違いかと思った。でも、彼女ははっきりと言った。「いじめられるのは、弱いからじゃないよ」どういう意味なのか? と眉間に皺を寄せる。「立場的にとか、肉体的にっていうのはあるけど、本当は強くて優しい人だからだよ」ますます言ってい... -
言う相手が間違ってても。言える場所があるって大事なことだよ。
彼女は言った。「男が怖い」と。次に「いなくなっちゃえばいいのに」と続けた。そして最後に「ひどいこと言ってごめんなさい」と、俺に謝った。言う相手が間違っていることも、そんな男ばかりでないこともわかっていると、彼女は言った。でも、どうしても... -
第5話 ありがとう
-
第4話 彼の浮気が許せない私と許せる彼女
-
第3話 自分を知るってこういうことなんだ。
-
第2話 小説を書くって奥が深かった
12