女性視点– tag –
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強引
ドクン、と一つ大きく心臓が跳ねた。右手首に加わった強い力。そして、あと数センチで触れてしまうほど縮まった互いの唇の距離。射抜くような彼の視線にとらわれた私は、瞬きするのも忘れて彼の言葉を聞いた。「先輩、俺の性別わかってる?」そんな聞かな... -
劣等感ていうのは、自分だけが感じるものなんだよ
私は、自分の中に流れる女の血が嫌いだった。 男に溺れた母親のようにはなるまいと、必死で自分の中の女を排除してきた。感情の赴くままに動かず、女だからと甘えず、男にバカにされないよう対等に渡り歩こうと生きてきた。 だから必死で勉強をした。... -
こういう時って幸せだな
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第5話 ありがとう
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第4話 彼の浮気が許せない私と許せる彼女
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第3話 自分を知るってこういうことなんだ。
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第2話 小説を書くって奥が深かった
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第1話 きっかけは「続きが読みたい」だった
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ウタニ ササゲル
文化祭も終わり、紅葉がちらほら見え始めた11月。私はお気に入りとなっている中庭に足を運んだ。休み時間や放課後にここを利用する生徒の数は、先週と比べてぐんと減っていた。すっかり肌寒くなったからなぁ……大きく息を吸った私の胸に冷たい空気が流... -
きっかけの雨
あの人との距離が縮まるきっかけは、いつも雨だった。 初めての会話、初めての一緒の下校、そしてお互い名前で呼び合うようになった時も雨が降っていた。 小雨というよりは強い降り方の雨に、私は昇降口で空を見上げて息を一つ吐いた。まだ降り始めて...
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