初めてのヒトツ

2020 2/12

「もっといっぱいして」と、彼女が願った通り、智孝は有羽が息つく暇を与えない程にキスを繰り返した。いつもの優しいキスではなく、智孝の想いを熱に変えたような深く激しいキスに、頭の奥が痺れるようだった。

(いつもの兄ちゃんと違う……どうしよう。キスだけなのに、すごく気持ちいい……)
麻酔をかけられたように鈍くなる思考の中、懸命に智孝の口付けに応える。絡まり合う舌の水音と、有羽の口から零れる甘い声が部屋に響いた。

「ん……ん」

一旦唇を離し、今度は視線を絡ませる。有羽は智孝が贈ったキスのようにとろけた瞳を向けていた。今腰を支えている左腕を離したら倒れそうなくらいに力が抜けている有羽に、智孝は微笑み声をかける。

「大丈夫か?」

自分の頬を包む大きな手に、そっと手を重ね、有羽は頷く。するとすぐさま智孝はまた唇を重ねた。このまま食べられてしまうのではないかと思わせるような口付けに、有羽は智孝の背中に腕を回し、指先に力をこめた。
それを合図にしたかのように頬に添えられていた手が、有羽の膨らみへと届く。
すくい上げるように手のひら全体で弾力を確かめる智孝に合わせるように、有羽は先程よりも甘い吐息を漏らす。

(恥ずかしいし、なんか……ドキドキしすぎて変な感じ……)
布を隔てて感じていた智孝の体温が直接肌に伝わったことにぴくりと身体を揺らした。
有羽の肌は吸いつくような肌触りで、とても滑らかだった。自分の手に少し余るくらいの膨らみをたのしむように、智孝は優しく揉んでいく。想像を超える柔らかさの中に小さな蕾を見つけ、それをつまむ。

「ん!」

揉まれているのとは明らかに違うその刺激に、有羽は唇を離し、惰性で智孝の肩に頭を乗せる。

「ひゃっ」

今まで感じたこともない痺れが背筋を駆け巡り、有羽は思わず声を上げた。
耳の後ろから首筋を舐められ、その生暖かく柔らかな感触にゾクゾクと震える。それと同時に贈られる智孝の指の刺激に、有羽はただ声を漏らすことしかできなかった。

「あ、汗かいてるから……ん、しょっぱい、でしょ?」
「甘いよ」

有羽の問いかけに一言だけ返し、智孝は首筋へのキスを続ける。口にしたように、有羽からは花のように甘く、いい香りがする。

「あっ……ん、ちょっと待って」

ボタンを外そうとする智孝の手を制止するようにぎゅっと握る有羽。ここにきておあずけをくらうことになるのかと一瞬不安がよぎったが、彼女は潤んだ瞳を向けながら口を開いた。

「恥ずかしいから、いいって言うまで目つぶってて」

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